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vol.216 輸入加工食品の安全について

2008/02/15 アーテック倶楽部ニュース

製造日偽装などが発覚し、三重県から営業禁止処分を受けた老舗和菓子メーカー「赤福」が約4カ月ぶりに営業を再開しましたね。今年も食の安全に関して暗い話題が続く中、こういった話題はうれしいですね。

◆輸入加工食品の安全について

連日、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件の話題で新聞ニュースなどが賑わっています。食の安全を脅かすこの事件は、給食の献立、食材の変更や給食費を値上げせざるおえない事態にまで問題は広がってきています。今回はこの事件について考えてみましょう!!

◆なぜおこったの??
輸入食品は食品衛生法に基づき、国が全国31カ所に設けた検疫所などでチェックを受けます。しかし、全体の約10%がサンプル調査の対象になるだけで、残りの約90%はそのまま市場に流通しているのが現状です。また、調査品目についても、野菜や果物などの生鮮品や、ゆでたホウレンソウのような簡単な加工食品については残留農薬検査が行われているが、ギョーザなど複数の材料を混ぜ合わせた加工食品は事実上ノーチェックとなっています。こういった水際でのチェックの甘さが指摘されています。また、そのほかにも保健所など行政は食中毒症状を起こす細菌の検出ばかりを見ていて、検出されないと『問題なし』と判断してしまうそうです。そのほか、厚生労働省に連絡が来るのが遅く、被害拡大を防げなかったという問題もあるようです。

◆メタミドホスとは??
今回検出されたこの薬品は、野菜などでアブラムシなどの駆除に使われる有機リン系の殺虫剤です。食品衛生法では食品ごとに基準値を設けていますが、これまでに中国産の冷凍カリフラワーや冷凍ライチ、そばなどから基準を超える濃度で検出されています。日本では農薬登録されていませんが、農薬として使われているアセフェートが分解して検出されることがあります。人が経口摂取すると胃けいれんや下痢、嘔吐(おうと)などの症状を起こします。

◆今後の体制強化について
政府は8日、中国製冷凍ギョーザによる中毒事件を受けて、輸入食品の検疫体制を強化することで一致しました。 厚生労働省は、生鮮食品に加え、加工食品も残留農薬の抜き取り検査を実施する方向で考えているとの事です。このため、全国31か所の検疫所・支所が増員される見通しです。
また、現地でも安全性を点検させるため、在中国大使館への食品安全担当官派遣を検討することも決めました。 担当官は、厚労省職員1人が大使館に常駐し、日本に送られる食品の安全性がどのように確保されているかを食品工場や港を訪れて調査するそうです。日本国内の検疫強化と合わせ、輸入食品を二重に点検する体制作りを目指すとの事です。

体制が強化され、食卓に載る前に少しでも「危険な食品」を排除されるよう祈るばかりです。