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Vol.354 ウェルシュ菌にご注意を

2019/08/16 アーテック倶楽部ニュース

こんにちは。新入社員の都築です。先月、広島市で夏のシーズンに食べられる生食用殻付き牡蠣かきの出荷が始まり、試食会が行われたそうです。これまでは広島県産生牡蠣の出荷は10月に解禁されていましたが、浄化技術の開発などで夏場でも安全な生牡蠣が出荷できるようになったそうです。

出荷にあたっては紫外線を4日間照射することで食中毒を引き起こす可能性のある細菌を低減させているそうです。このような技術が発展して、給食でも安心して牡蠣が提供できるようになると嬉しいですね。

★☆ウェルシュ菌にご注意を☆★

先月、埼玉県の病院で36人が食中毒になり3日間の給食停止ということがありました。病院の給食が原因の食中毒だとわかり、原因菌はウェルシュ菌とのことです。このウェルシュ菌は加熱でも死滅しない芽胞を持つ細菌なので、加熱調理した食品が原因食品となります。また大量に調理するところで発生し、1事件に占める患者数が多く、給食病とも呼ばれます。

ウェルシュ菌

■特徴

ウェルシュ菌は、人や動物、土壌、水中など自然界に広く生息しており、酸素を嫌い熱に強い性質を持つ細菌です。食品で汚染が高いのは、牛、豚、鶏肉などの食肉のようです。
感染すると腹痛や下痢等の症状を起こします。子供や高齢者が感染するとまれに重症化することが知られています。

■原因となる料理

ウェルシュ菌による食中毒が起こりやすい料理は、「カレー」、「スープ」、「シチュー」、「麺つゆ」などの肉類、魚介類、野菜を使用した煮込み料理が多いです。 その中でも、食べる日の前日に大量に加熱調理され、大きな器のまま室温で放冷され原因となってしまった事例がとても多いです。

熱に強い性質があるため、高温の調理を行ってもウェルシュ菌は死滅せず生き残ります。再加熱を行っても、同様にウェルシュ菌は滅菌できません。そのため、一晩おいたカレーなどを食べる前にもう一度加熱したから大丈夫という油断は大敵です。『加熱済食品は安心』という考えがウェルシュ菌による食中毒の発生原因となっています。

また、大量調理している食品の中心部は酸素の無い状態になり、酸素を嫌うウェルシュ菌にとって好ましい状態になるため、食品の温度が発育に適した温度まで下がると急速に増殖を始めます。

■予防のために
  1. 前日調理は避け、調理後は2時間以内に食べきりましょう。
  2. 一度に大量の食品を加熱調理したときは、ウェルシュ菌の発育しやすい20~50 °Cで長く保たないように注意しましょう。
  3. やむをえず保管するときは、小分けしてから急速にブラストチラー等で冷却してから冷蔵庫(10 °C 以下)で保存しましょう。

ブラストチラーは、危険な温度帯から安全な温度帯まで急速に冷却できるので、菌に繁殖する隙を与えません。アーテックでは安全な調理のために、ブラストチラーを大型のものから卓上型(100 V)のものまで厨房に合わせて使えるものをしっかり取り扱っております。食べる方と、調理する方の安心のためにブラストチラーはとても頼りになります。
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出典・・・ 東京都福祉保険局HP ウェルシュ菌 ・ 食品安全委員会HP 「ウェルシュ菌食中毒」