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vol.65 食中毒を起こす病原性大腸菌

2001/07/27 アーテック倶楽部ニュース

連日真夏日が続き、暑さに参ってしまいそうですね。
各地で40℃近い気温になり、熱中症が多発しているそうです。
自分の身体の調子を確認しながら、無理をせず、暑さに対する自己防衛を行っていきたいものですね。

食中毒起こす病原性大腸菌

大腸菌と言えばO(オー)157、というように、今やO157は大腸菌食中毒の代名詞とも言えますが、先日長野県で発生したO(オー)169による食中毒は記憶に新しいと思います。
O157の他にも私たちの身の回りには食中毒を引き起こす大腸菌が何種類もあります。
今回は病原性大腸菌について考えてみたいと思います。 病原性大腸菌はO(オー)157が該当する腸管出血性大腸菌(EHEC)の他にも、腸管毒素原性大腸菌(ETEC)、腸管組織新入生大腸菌(EIEC)、腸管病原性大腸菌(EPEC)、腸管付着性大腸菌(EAEC)などがあります。
それら病原性大腸菌の特徴を見てみたいと思います。

病原性大腸菌の種類と特徴

病原性大腸菌便の症状発熱腹痛嘔吐特徴O血清型潜伏期間
腸管出血性大腸菌(EHEC)血便本菌の産生するベロ毒素による血便と激しい腹痛が主症状の出血性大腸炎。26,103,111,128,145,1571~10数日、平均は3~5日
毒素原性大腸菌(ETEC)主に水様便エンテロトキシンを産生し、下痢を主症状とする急性胃腸炎で、下痢はコレラ様で米のとぎ汁様。6,8,11,15,25,27,29,63,73
78,85,114,115,128,139,148
149,159,166,169
12~72時間
組織侵入性大腸菌(EIEC)水様便、血便、粘性のある便大腸粘膜に侵入して増殖。下痢は粘血便で、発熱、腹痛を伴う。28ac,112,121,124,136
143,144,152,164
1~5日
病原血清型大腸菌(EPEC)泥状、水様、粘性のある便小腸に感染する。乳幼児に多く、サルモネラ様症状、下痢・腹痛・悪心・嘔吐を生じ、多くは菌血症を併発する。26,44,55,86,111,114,119
125,127,128,142,158
12~72時間
腸管付着性大腸菌(EAEC)2週間以上に遷延する下痢の原因菌として分離される例が多く、腸管病原性大腸菌と類似の症状を呈する。