お知らせ
vol.62 カビについて(総合防菌研究所 市川幸充先生より)
2001/06/08 アーテック倶楽部ニュース
6月になりましたね。とうとう梅雨の季節の始まりです。梅雨ってジメジメしてる し、カビも生えやすくなります。でもカビってどんなものなのでしょうか?
今回のテーマは“カビ”です。『おもいっきりテレビ』などでご活躍中の総合防菌研究所、市川幸充先生より頂きました情報をもとに、カビについて考えてみたいと思います。
カビ
食中毒については日頃から注意しているかと思いますが、カビについては割と気にしていない方も多いのではないでしょうか?
5月からカビは活発に増殖を開始します。6月ともなると梅雨に入り1年の内で最も繁殖力が旺盛になります。
<カビの用途>
カビは、古くからかつお節や醤油、味噌などの発酵食品に使用したり、近年ではペニシリンなど抗生物質の製造に使用したりしています。
特に日本人は食品を通してカビとのかかわりが深い民族といえるでしょう。しかし、カビが地球で果 たしている役割や人間に悪さをしていることなどを知っている人はほとんどいません。
家の水廻りや職場で見かけるカビって一体何者なのでしょう。
<カビの歴史>
地球が誕生してから今日までを1年としますと、カビなどの微生物が誕生したのが、3月の中旬で、人間が誕生したのは、12月31日午後8時になります。
カビなどの微生物は生命の先駆けであり、人類の大先輩にあたるのです。
しかし、人類が微生物の存在を知ったのは、わずか二百数十年前のことで、レンズ磨きの職人さんが発見しました。
のちにパスツールやジェンナーなどの有名な学者が出現して、今日の微生物の学問が生まれたのです。
しかし、いまだに微生物の総数すら人類は知りえていないのです。
<カビの働き>
カビなどの微生物は、地球上のいたるところにも存在します。
深海や高山、土の中や空気の中、人の体にもいます。そしていろいろな役割を演じてくれています。
その中でも一番大きな役割は、有機物を無機物にしていく働きです。通常土の中には、1g当り細菌類一億個、カビ類百万個、放線菌類一千万個くらい存在していて、有機物を無機物にかえたりすることで(植物が太陽エネルギーを利用して、無機物から有機物をつくり、その植物を動物が食べ、動物が死ぬ とカビなどの微生物が有機物を分解して土や空気に戻していく自然サイクル)、地球のゴミを片付けてくれているのです。
この働きがなければ、植物も動物も地球上には存在していません。
しかし、微生物がかけがえのない重要な生物にはかわりないのですが、人間にとって良いことばかりしてくれません。家の中に生えて汚くしたり、風邪をひいたり、虫歯になったり、食中毒やエイズになったり。それらはすべて微生物が問題を引き起こしているのです。
最近問題になったイギリスの口蹄疫も微生物が原因です。 人類にとって功罪両面 を持った大先輩である微生物を私たちは都合がよければ「発酵」と呼び、都合が悪ければ「汚染」と呼んでいるのです。 カビと一口に言ってもとても奥が深いですね。
カビについてのご質問等ありましたらフリーダイヤル、フリーFAX、Eメールでお待ちしております。
カビクイズ!
毒を生産するカビは主に熱帯から亜熱帯地域に分布している
はい・いいえ
カビの毒(マイコトキシン)は熱に弱い
はい・いいえ
穀類やナッツなどがカビの汚染を受けやすい
はい・いいえ
クイズの答えは次回のアーテック倶楽部ニュースで発表します!お楽しみに