お知らせ
vol.57 細菌検査
2001/03/23 アーテック倶楽部ニュース
最近ますます暖かくなってきました。
この季節、花粉症のかたはとても辛い思いをしていらっしゃるのではないでしょうか。
さて、今回は厨房内での細菌検査について考えてみましょう。
●さて、今回のテーマは・・・
細菌検査についてです。
食中毒を防止するにあたり、日常の衛生管理も大切ですが、厨房内がどれだけ細菌に汚染されているか、ということを確認するために、細菌検査という方法があります。
細菌検査は必ず行わなければならないことではありません。では、細菌検査を行う必要性はあるのでしょうか?また、細菌検査を行うことは、どのような効果 があるのでしょうか。
細菌検査は、厨房内の衛生状態の問題を発見し、どこに重点をおいて洗浄・消毒を行ったら良いか?ということを調理の従事者が理解し、衛生改善計画を実行・食中毒を予防するための指標となります。 厨房内の衛生状況を再確認するために、細菌検査は重要になってくると思われます。
●菌数の基準●
厨房室内の調理器具や調理機械、及び床等における菌数(一般生菌、大腸菌、サルモネラ菌、O157等)の基準及び規制は、国のレベルにおいては存在しておりません。 しかし省令による成分規格で菌数がいくつ以下と定まっているものがあります。例えば、牛乳・アイスクリームなど乳製品などは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令において細菌数50,000以下/ml、大腸菌群・陰性という基準があります。これらは、保健所の検査で基準を超えていると日本全国どこの保健所でも販売禁止や廃棄処分を行います。
その他については、各自治体が衛生的な食品の取扱いを目標とするために指導基準を定めているところもあります。これは自治体によって目標とする値が違いますので、各保健所に確認をお願いします。
細菌検査は一般的に大腸菌群で行います。大腸菌群は、安全性の指標というよりも環境衛生管理上の汚染指標菌または食品の品質を評価する衛生指標菌と考えられ、大腸菌群の有無をみて衛生管理状態を評価します。つまり、加熱処理された食品から検出された場合には、加熱処理後の二次汚染など取扱いの悪さを示します。また、未加熱食品から少量 だけ検出された場合には、衛生学的にはあまり意味がなく、菌数が多ければ不潔な取扱いを受けたことが推察され、清潔かつ安全な食品でないことを示します。
●検体の採取場所及び確認事項●
厨房内のどのような場所の検査を行うのでしょうか?
また、検査を行うことにより、どのようなことが確認できるのでしょうか。
・床面や調理台の上、シンク、ドアノブ等
→前日・当日の清掃・消毒の状況確認
・食材容器・袋・段ボール箱の表面、業者搬入用容器の取っ手等
→外部からの汚染の持込みの有無
・調理員の手、手袋、機械・器具、台車の取手、床上の跳ね水・こぼれ水、野菜等の水切り水、包丁、まな板等
→食材からの二次汚染の有無
・各洗浄用の水の確認。
→食材の洗浄状況
●検査方法●
細菌検査の方法どのようなものがあるのでしょうか? <スタンプ法> フードスタンプなどにより、培地面 を検体に接着させ、その後培養を行い菌数を確認します。 スタンプ法の場合は、検体の表面 が平滑で、かつ、スタンプする面が濡れていないものが検査できます。 <拭き取り法> 拭き取り専用のキットなどを用いて検体を採取し、培地で培養を行い菌数を確認します。 スタンプ法では採取出来ない検体(水等)が検査できます。 寒天培地によるものだけでなく、発光反応を用いて短時間で検査が出来るキットもあります。