お知らせ

vol.31 床の衛生管理について

2000/01/28 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回は「床の清潔」の解説です。
—–「床の衛生管理」—–

床に野菜の切れ端、ご飯粒、水、油がこぼれていると、滑って転ぶという危険が第一。ゴキブリやネズミは喜んで集まり、臭いに誘われたハエも飛んできます。結果は汚れと細菌の巣となり、トイレより汚い厨房の床、ということになります。同じ汚れでもドライシステム厨房の床より、いつも濡れている床の細菌数は数十倍も多かったという報告もあります。

1.床の日常管理

1)時間と分担を決めて清掃しましょう。

2)水をまき過ぎないようにしましょう。床掃除に水は欠かせませんが、水のまき過ぎはかえって掃除を困難にします。また、水はけが不十分だと、滑りやすく、細菌の増殖も促し、安全面・衛生面ともに危険です。

3)大きなゴミは掃きとって下さい。排水溝に何でも流し入れると、排水溝が詰まってしまったり、そこが細菌の温床になるという結果を引き起こします。

4)洗剤は床用洗剤を使いましょう。食器用洗剤では不経済ですし、汚れの落ちかたが良くありません。コンクリート、合成樹脂、モルタル等、床の材質に合わせた洗剤を選ぶことが肝心です。また、洗浄力が落ちたからと洗剤を注ぎ足すのをよく見かけますが、期待するほどの効果は上がりません。洗剤には汚れに作用すると急激に洗浄力が落ちるという特性があります。5)隅々やレンジの周りは入念に擦るようにしましょう。

6)しっかりしたデッキブラシを使うようにしましょう。

7)排水溝もきれいに洗い、蓋に残滓で目詰まりなどないように洗剤で磨くこと。

8)洗い終わった時に、床の傾斜がまずく水溜まりが出来る場合は、水溜まりを残さないように、モップ等をつかって水溜まりを除去することが必要です。

9)次亜塩素酸ナトリウム(500~1,000ppm)溶液を噴霧器で散布するか、狭い厨房ならポリバケツで静かに流して消毒しましょう。

普段からでも、食器やふきん、まな板などの消毒に使った次亜塩素酸ナトリウムの残りの溶液は、そのまま捨ててしまわないで、床に流し広げて捨てると脱臭効果も得られて効果的です。

ただし、シンクや調理台の脚にかかりますと腐食を促進しますので、かけないようにしてください。

10)入口、出口に置いてある足拭きマットもきれいに洗い、日に干すなり、消毒薬を散布しておきましょう。調理スタッフの足が厨房内に汚れや細菌を運び込むのです。定期的に洗う及び何枚かのマットを交換して使用する工夫などが重要です。

2.各種床材に対する洗剤の適否

下に表でまとめました。

洗剤の種類コンクリート合成樹脂タイル
アルカリ洗剤××
洗濯せっけん×
陰イオン洗剤
非イオン洗剤
乳化ワックス洗剤××
酸性洗剤××

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )

2000/2/11号につづく

『新製品ニュース!

最近、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(指定食品添加物)を水道水から生成できる装置が発売されています。これだと面倒な稀釈作業を必要としません。食塩を電解質として使用するもので、

1.有効塩素濃度を、50ppm、100ppm、200ppmの三段階で切り替え出来ます。

2.水道水感覚で使用できます。

3.低ランニングコスト(1リットルで0.43円)です。

という特長があるようです。

興味のある方は、お問い合わせ下さい。情報提供致します』