お知らせ

vol.29 残菜の始末と衛生

1999/12/24 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回は「二次汚染:残菜」の解説です。
「残菜の始末と衛生」

ゴミの集収日に街を歩くと、レストランの裏手にはドロドロに汚れたポリバケツ、野菜屑がはみだしている。残菜の状態を見ればその店の衛生状態が一目で分かるというものです。

残菜入れは、厨房作業の最終決算です。ゴミ戦争や食料資源の不足が叫ばれている折りでもあり、なるべく廃棄分を少なく、食べ残しが少ない美味しい料理を作って残菜が減るように心がけたいものです。また、経営的にも材料の無駄は赤字につながります。

しかし、やはり、一定量の残菜は出るのが当然です。

そこで、その処置について以下に述べます。

1.清潔な残菜容器

食べるときは素晴らしい料理も、時間が経つと我慢の出来ない匂いを発散します。残菜入れにはしっかりと閉まる蓋のついた容器を使うことです。しかし、これではただの「臭いものには蓋をしろ!」になってしまいます。(厨房臭の防止については、また別の機会に解説致します。)

そして、ゴミの収集日に空になったポリバケツをそのまま厨房に持ち込まないことです。厨房の外に洗い場があれば理想的ですが、無ければ厨房内ででも床用洗剤を使って、専用の固めのスポンジで、外側まできれいに洗うことが必要です。

消毒は、次亜塩素酸ナトリウムか、逆性せっけんの希釈液を流し込み、外側もスポンジに含ませた液で、よく擦って水洗いし、乾燥させましょう。

終わったら手の消毒をしてから調理にかかることを忘れないようにしましょう。

残菜入れ、ポリバケツの置き場所はいくらきれいに洗っても、蓋を取ることがありますから、なるべく客席から見えないところに置くようにしたいものです。

2.生ゴミ以外のゴミの処理

厨芥には、食物(いわゆる生ゴミ)の他に、割り箸や紙袋、段ボール箱、空びん、空缶があります。

ゴミ収集日に合わせて種類別に束ねるなり、乱雑に積み上げたりすることの無いようにしましょう。空びんなど、業者が引き取るものは、出来るだけその都度持ち帰ってもらうことが大切です。

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )

2000/1/14号につづく

● 会員の皆様へ ●

20世紀もあと一年余りを残すのみとなりましたが、本年、アーテック倶楽部ニュースを親しくご愛読頂き、ありがとうございました。

私ども、YAMASA食品安全研究所と致しましては、少しでも会員の皆様の業務のお役立つべく、今後も紙面の充実に努めてまいりたいと思います。

何卒、新年度も宜しくお願い申し上げます。簡略ではございますが、皆様と皆様の職場の「安全」を心より祈りつつ、年末のご挨拶とさせて頂きます。

本当にありがとうございました