お知らせ
vol.24 冷凍庫の管理について!その1
1999/10/08 アーテック倶楽部ニュース
連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回は「冷凍庫の管理」の解説です。
「冷凍庫の管理 I」
☆食品の保管方法☆
冷凍食品の普及と共に、冷凍庫も必需品になっています。
冷凍品には素材(肉・魚など)と調理品(コロッケ・ギョウザなど)があります。
自家製の調理品を冷凍することもできますから、ボックス型でなく、冷蔵庫のようなドアタイプのものが出し入れや清掃・衛生管理に便利なため、多く普及しています。
食品の冷凍保存の温度は-15℃以下(大量調理施設衛生管理マニュアル:厚生省)と定められていますが、食品の冷蔵温度が10℃以下という規定であっても実際には0~4℃が良いように、冷凍保存の場合も-18℃以下(HACCPでは-17.8℃以下)で保存することが望ましい状況です。
尤も、この部分、必要不可欠の重要管理点では無く、大切なのは重要管理点である最終調理温度なのですが、冷凍庫の条件を考えた場合、おろそかにしたくないと思います。
冷凍庫には、冷蔵庫と同じく、隔測温度計を必ず取り付けておかなければなりません。
凍っているから大丈夫というのは、非科学的な間違った判断です。
そして、前出のように、規定が-15℃以下ということでも、決して-15℃が理想の冷凍食品保管温度では無いということを肝に命じておかなければなりません。
冷凍食品は冷蔵庫に比べ、長期保存ができますので便利なのですが、脂肪分を含む食品は酸化して(いわゆる油焼け現象といいます。)しまいますし、6ケ月以上経過したものは変質が進んでいると考えましょう。
冷凍食品は保存中は温度のみのチェックで済みますが、解凍の時に気をつける必要があります。
魚はドリップが流れ出て味が落ちたり、コロッケなどの加工品は解凍しすぎると揚げているときに形崩れしたり、また、解凍が不十分だと芯まで加熱されないうちに表面のみが黒焦げになったりして取り扱いが難しいのです。
理想的には、4℃(HACCPでは4.4℃)の冷蔵庫で一昼夜かけて解凍するのが良いでしょう。つまり、冷蔵の発想を応用します。
なぜなら、病原菌は冷凍状態の中で死滅する訳ではありませんので、時間が無いからといって室温で解凍する間に、表面に付着していた細菌が繁殖をはじめてしまうからです。
食品の変質とは、新鮮度が失われ、乾いたり、湿ったり、変色したり、風味が悪くなったりすることです。
食品の腐敗とは、食品を長時間放置しておくと、蛋白質がいろいろな微生物によって分解され、アミン、アンモニア、亜硝酸などの有害物質を生産し、粘液を出して悪臭を発し、刺激性の味を呈して食用に適さなくなることです。
(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )
10/22号につづく