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vol.22 冷蔵庫の管理について!その1

1999/09/10 アーテック倶楽部ニュース

連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回から「機器管理」の解説に入ります。
「冷蔵庫の管理」

ほとんどの食中毒菌や病原菌は、37℃前後で活発に繁殖しますが、5℃以下では死にもしないし、繁殖もしないという性質を持っています。
冷蔵庫は4℃以下0℃以上に温度を調節して、食品を凍結させずに低温で保存する短期間用の食品保存庫です。
したがって、冷蔵庫管理の第一は温度管理です。
たとえ電気が通じていましても、(1)機械が故障していたり、(2)食品を詰め込みすぎたり、(3)霜がついていたり、(4)扉を何回も開閉したりすれば温度は下がってしまいますので注意が必要です。

☆温度計を必ず備えること!☆
冷蔵庫の内部が4℃以下になっているかどうかは、温度計で計測しなければわかりません。
「霜がついているくらいだから冷えている。」と思うのは非科学的。
室温30℃の日に、食品を取り出すために15秒間ドアを開けると、0℃の庫内温度は18℃まで上昇します。そして、元に戻るには10分間かかります。
しかも、頻繁に扉を開閉すれば、庫内はいつも15℃くらいになってしまいます。
細菌は37℃になって突然増え始めるのではありません。温度が低ければ増殖のスピードが鈍るだけで、温度が上がるにつれて増殖のスピードが増して行くのです。下表をご覧ください。また、冷蔵庫内の温度は一定ではありません。上段が2~3℃の時、中段は4~5℃、下段は6~8℃です。これは冷気が対流しているからです。

温度0時間の経過24時間の経過48時間の経過96時間の経過
0℃2、4002、1001、9001、400
5℃2、4002、6003、600400、000
10℃2、40011、000540、000無限大
15℃2、40019、0003、400、000無限大
20℃2、400450、000無限大無限大

腐敗しやすい食品(肉・魚介類)を上段に、野菜を下段に入れるのは、冷蔵庫内の温度帯に合わせて入れるということです。
業務用の大きな冷蔵庫の場合、温度計は上段、下段にそれぞれ1個ずつ入れておけば理想的です。ただし、1個しか温度計がない時は、必ず中段に入れてください。冷蔵庫の扉を開けて温度計を見ていると、たちまち温度が上昇してしまい、正しい温度がわかりません。よって、温度感知部のみを冷蔵庫内にセットして、扉を閉じたままで温度の確認のできるデジタル式の温度計が適しています。

冷蔵庫の食品の出し入れの度に(特に夏期)温度の確認を行う習慣をつけましょう。

また、突然停電した時には、可能な限り冷蔵庫の扉を開かないようにしましょう。

(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )

9/24号につづく