お知らせ
vol.20 洗剤について!その1
1999/07/09 アーテック倶楽部ニュース
連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
「洗浄:洗剤」
(1)台所用合成洗剤
台所用合成洗剤とは、界面活性剤(下記「注」参照)に各種のビルダー(助剤:硫酸ソーダ)を加えて洗浄力を強化したものを言います。
台所用合成洗剤の特徴
a)アルカリ性せっけんに比べ、洗浄力が優れています。
b)中性(pH7)です。{したがって、一般に中性洗剤と言われています。}
c)基本的に臭気がありません。市販品の中でレモンなどの香りがするのは、香料を入れているためです。
d)冷水にもよく溶けます。
e)硬水や酸性の水でも洗浄力を発揮できます。
f)液がぬらつきません。
台所用合成洗剤の使用上注意
a)洗濯用洗剤は食品や調理器具には絶対に使ってはいけません。漂白料及び酵素が含まれている上、指定外漂白剤も含まれており、人体に毒があります。
b)使用濃度を適正(下表参照)にしてください。台所用合成洗剤はJIS規格で15%以上の界面活性剤を含むことになっていますので、例えば、1リットルの温湯中で、界面活性剤0.1%以下にするには、1.5cc以下の台所用合成洗剤を入れれば良いことになります。洗剤容器には、標準使用量が記載されていますので、よく見て使用量を決めて下さい。
合成洗剤種類 | 非脂肪酸系合成洗剤 | 脂肪酸系合成洗剤 |
---|---|---|
界面活性剤使用濃度 | 0.1%以下 | 0.5%以下 |
浸漬時間 | 野菜・果物は5分以内の浸漬にとどめる | |
すすぎ | 流水では野菜・果物で30秒以上、飲食器は5秒以上すすぐ ため水では2回以上水を替えてすすぐ |
c)洗浄後の水洗いを充分にしてください。洗剤で洗ったあと、(使用濃度が高くなっていたりすると)水をかけただけでは、まだ食器に洗剤が残っている場合があります。d)40℃以上の温水で洗うのが効果的です。しかし、必要以上に温度が高いと手の脂肪も溶けてしまい、手荒れ(手荒れ状態の手には有害な黄色ブドウ球菌が常在化する場合があります。)の原因となります。よって使用後は、よく手を洗って水気をきれいに拭き取り、時間をおかないでハンドクリームをすり込んで下さい。手荒れし易い人は薄い手袋をして手荒れを防いで下さい。
e)野菜、果実は②の液に5分以上浸漬してはいけません。f)洗浄後、水(飲用適)でよくすすいで下さい。
流水の場合、野菜・果実は30秒以上のすすぎ、飲食器は5秒以上のすすぎが法定使用基準で定められております。
ため水の場合、2回以上水を取り替えることが法定使用基準で定められています。
(注)界面活性剤:水と油の境界部分を活性化させて境界面を無くし、お互いを混ぜ合わせる働きをする。洗浄剤。(参考資料:食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊 )
7/23号につづく