お知らせ
vol.16 アルコールの基礎知識
1999/01/25 アーテック倶楽部ニュース
連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
「アルコールの基礎知識」
Q1:アルコール、エタノール、エチルアルコール、酒精の違いが解りません?
アルコール、エタノール、エチルアルコール、酒精とそれぞれ呼び方は違いますが、同じものです。「アルコール」は広い意味で言いますと、エチルアルコール、メチルアルコール、プロピルアルコールなど、アルコール類の総称です。しかし、一般的には、「アルコール」と言えばエチルアルコールを指します。「エタノール」は国際化学命名法の呼び名、「エチルアルコール」は慣用名、「酒精」は日本語の名称です。
Q2:アルコールは、どんな性質ですか?
食品添加物として認められており、お酒に含まれている成分と同じなので口に入っても安全です。無色透明で芳香があり、揮発しやすい液体です。お酒と同じで、致酔性があります。よく燃えますが、青白く見えにくい炎で、悪臭やススを出しません。殺菌効果があり、防カビにも有効です。油をよく溶かします。水とよく混ざります。色や香りを抽出します。マイナス114℃以下にならないと凍りません。
Q3:殺菌に適しているいアルコール濃度は?
古くからいろいろな説がありますが、アルコール濃度が80v/v%前後が殺菌に最も適していると考えられています。これは、アルコールと水分の量の割合の問題で、染み込んで行く速度や、蒸発する時間を想定し、殺菌効果が最も上がる濃度とされています。
Q4:アルコール(エチルアルコール)の原料は?
アルコールは、製法が大きく分けて二種類あり、原料が違います。発酵アルコールは、糖蜜やサトウキビなどの糖質と、トウモロコシ、サツマイモ、ジャガイモなどの澱粉質を原料として作ります。また、合成アルコールは、石油から得られるエチレンを原料として作ります。
Q5:薬局法アルコールとは何ですか?
国が制定した規格に合格したエチルアルコールで、アルコールの濃度により以下の三種類があります。
無水エタノール(99v/v%)
エタノール(95v/v%)
消毒用エタノール(約80v/v%)
これらは、主に病気の予防や治療用の医薬品として病院などで使われます。薬局法アルコールは、発酵アルコールを使います。家庭では、消毒用エタノールが最も使いやすくて殺菌効果が大きく、利用範囲が広いので便利です。
日本薬局法の規格は、1886年(明治19年)世界で22番目に制定されました。
参考文献
(食品衛生早わかり/牧野権一著/柴田書店刊)
(http://www.chubu.miti.go.jp/seido/shouhi/alcohol.htm )
次回も「消毒用アルコール」を取り上げる予定です。
2/12号につづく