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お知らせ

vol.40 塩ビ製手袋から内分泌かく乱物質溶出~手袋材質比較

2000/06/23 アーテック倶楽部ニュース

アーテックニュース倶楽部事務局より

本格的に梅雨に突入しましたが、みなさまどのようにお過ごしでしょうか?

前号のニュースで「塩化ビニール製調理用手袋が使用禁止になる?!」という記事を掲載したのですが、その反響がとても大きく、たくさんのお電話を頂戴しました。
今回は予告内容を一部変更しまして、調理用使い捨て手袋について取り上げたいと思います。
電解水、放射線殺菌、次亜以外の殺菌消毒方法については次号で掲載予定とします。
(事務局 山崎)

毎日新聞の記事の拡大サイズはこちら

■フタル酸エステル類
塩化ビニルとはもともと硬いのですが、それを軟らかくために可塑剤として添加される化学物質のことです。動物実験では、精子の形成能力の低下など、生殖毒性が報告されていますが、その影響は明らかにはなっていません。

■解説
新聞の記事によりますと、国立医薬品食品衛生研究所などが検査した食事63食のうち、すべてからフタル酸エステル類が検出され、塩ビ手袋を盛り付けに使用していた病院の食事からは高濃度で検出されました。殺菌消毒のためにアルコールを吹き付けることでフタル酸エステル類の溶出が進むものとみられます。秋にはフタル酸エステル類を使用しない調理用手袋が販売される予定です。

■塩ビ製手袋の説明、長所と短所
塩化ビニールの原料は塩60%と石油40%です。塩ビ製手袋は安価で種類も豊富です。また、油や薬品にも強く、ほどよいフィット感があるため、調理用使い捨て手袋のみならず、一般炊事用手袋としても広く普及しています。反面、焼却時にダイオキシンが発生すると言われていることや、今回の報道で明らかになった、添加されている可塑剤が環境ホルモンとして手袋から溶出する、といった数々の問題が挙げられています。

■塩ビ以外の手袋の紹介
前号でも2種類の非塩ビ原料を紹介しましたが、今回はそれにさらに2種類追加して紹介します。
A.ポリエチレン製手袋
B.ポリオレフィン樹脂製手袋
C.天然ゴム(ラテックス)製手袋
D.ニトリルゴム製手袋

調理用手袋材質比較表

A.ポリエチレン製手袋B.ポリオレフィン樹脂製手袋C.天然ゴム製手袋D.ニトリルゴム製手袋
丈夫さ×
柔らかさ
フィット感×
耐油性×
耐熱性70℃ 70℃ 110℃ 130℃
焼却時の環境への影響
分解性×××
特徴手触りががさがさしており、手にフィットしないが、油に強い。柔らかく、伸ばすことにより手にフィットする。耐熱性は塩ビ製と同等。柔軟性があり、耐熱温度も110℃と高いが、油に弱い。人によってはアレルギーがでる。天然ゴムには劣るが伸縮性があり、耐熱温度が高い。油にも強い。

■手袋の考察

上記の表から見ると天然ゴムがもっとも優れているのですが、アレルギー(かゆみ、かぶれなど)を生じる可能性もあり、また、油に弱いため、揚げ物をつかむ、といったことには不向きです。

ニトリルゴムはそういった天然ゴムの弱点をカバーしていますが、まだ普及率も低く、種類も限られます。これらの手袋の特徴をつかんだ上で、使い分けが必要です。

<厚生省からの通達>
平成12年6月14日、厚生省は、可塑剤としてフタル酸エステル類を含む塩ビ製手袋の食品への使用を避ける指導を通知しました。

内容の詳細は下記URLにて閲覧ですることがきます。

ここから厚生省の報 道 発 表ホームページへリンク

※資料請求も承ります。フリーダイヤルまでご連絡下さい

■次回のアーテック倶楽部ニュースでは・・・
◎最新のトピックス 仮「O-157の季節!」
◎塩ビ手袋続報、「各地方自治体の具体的な判断・決定など・・・」
◎米国FDAが生野菜殺菌に電解水を認可!

などをお届けする予定です。