お知らせ
vol.7 HACCPにおける二次汚染防止
1998/07/10 アーテック倶楽部ニュース
連載★ HACCPこわい!?食品安全再点検★
今回は「二次汚染」です。
製品がらみで「二次汚染」のお話しを続ける前にHACCPにおける「二次汚染」の基本的な概念を提示するのを忘れておりましたので、今日はその話をします。話しが前後してすみません。
でも、「基本」ですから…。
「二次汚染」
汚染:汚染とは、食品の中に有害な物質や微生物(食中毒菌)が予期されずに混入する事を言う。
二次汚染:二次汚染とは、有害な微生物(食中毒菌)が、ある食品から他の食品へ、容器や手などを介して移動することである。あれ?もう終わってしまいました。でも、基本はこれだけなんですよ。
しかたありません。もう少し具体的にしましょう。
二次汚染を防ぐには?:
正しい手洗いの手順を、厳守する。
風邪(初期の食中毒の症状は風邪によく似ています。)の症状などの従業員を食品に触れさせない。
調理しない食品を扱う場合は、器具・容器・あるいは使い捨ての手袋を使う。
使い捨ての手袋は、正しい方法を厳守する。
加熱調理する食品(料理)と加熱調理しない食品(料理)は同じ場所で作らない。
加熱調理する食品と加熱調理しない食品は同じ場所で保管・保存しない。
加熱調理しない食品は、加熱調理された食品の下に保管・保存する。
消毒液の濃度、手を拭く手ぬぐいは、正しい方法で管理する。
機器、容器、包丁、食器は、正しい方法で洗浄・消毒管理する。
と、まあ、このくらいの具体性でどうでしょうか?厨房でもっとも「二次汚染」に注意しなければならないのは、何といっても「複数の食品を一度に取り扱う所」つまり「下処理の場所」と「調理をする場所」です。よく、学校給食センターさんで「作業動線が逆戻りしてはいけない。」と言われるのも「二次汚染」防止を狙った管理項目なのです。次は、再び製品・商品がらみでの「二次汚染」のお話しに戻ります。
「カラーチェック」
「二次汚染」のほとんどが厨房における(人による)食品の移動によって発生すること、それから、複数の食品が交わる場所で発生することは理解頂けていると思います。でも、理解できていても防止が徹底し難いのが「二次汚染」のやっかいなところです。
そこで考案されたのが「カラーチェック」という方法で、HACCPの手法の中でも紹介・推奨されています。この方法は、調理に使う主な器具・用具等を食品別に色分けし、それぞれの食品専用の色の器具・用具を使い分けることによって食品相互の器具・用具による「二次汚染」 を防止しようというものです。徹底させるためには、下処理場・調理場までゾーンで色分けすれば完璧。「魚類は「青」、肉類は「赤」、野菜類は「緑」と仮に決めたとしましょう。
そして、その色に合わせて使い分けする必要のある器具・用具を具体的に以下に並べてみますと…
7/24号につづく