お知らせ
vol.3 新連載・HACCPこわい!
1998/05/15 アーテック倶楽部ニュース
リニューアルのご挨拶
YAMASA食品安全研究所では、食品安全に関する情報を皆様にお届けするために「アーテッククラブニュース」を印刷版にて発行しておりました。しかし、意外に食品安全に関する情報が、皆様の所で望まれていることが判明しましたので、今後はFAXにて月2回(第2週/第4週金曜日)発行して行くことと致しました。手始めは、「HACCPこわい!?」と題したHACCPの解説を、できるだけ解りやすく行っていきたいと思います。副題の「食品安全再点検」が示す通り、既にご存知の事項を皆様がこの連載で、文字どおり「再点検」して下さることが、YAMASA食品安全研究所の願いです。また、折りを見てイギリスなどの食品安全のニュースレターも翻訳して海外の状況をご紹介したり、インターネット上での情報交換もできるように準備を進めております。
改めてよろしくお願い申し上げます。
トピックス
学校食事研究会発行の「学校の食事2月号」に掲載されていた興味深い記事を紹介します。『岐阜県土岐市学校給食センター様の場合』こちらでは、センター員の皆さんが全員で工夫しながら食中毒防止のために機器の改善を昨年の夏休みに実施したのですが、改善をされた機器の中に10年程前に製造されたステンレス製の蒸気式煮炊釜がありました。改善の内容は、蓋取手の材質変更でした。当時の蒸気式煮炊釜の蓋は取手の握りの部分が木製でしたが、これを「釜の蓋の取手は、調理スタッフの触る頻度が高い部位であるが、ここが水が染み込みやすい、つまり食中毒菌の繁殖の温床になり易く、二次汚染の要因となる可能性がある。」と同センターでは判断。結果、ステンレス製の取手をセンター員(男性)が考案して作成。交換したとの事でした。
HACCP風に判断すれば、木製の取手は危険性の高い器具材質と言えるかもしれません。
新連載 vol.1
HACCPこわい!?-食品安全再点検-
「HACCPって一体なんだ?」って聞かれると困ってしまう皆様のために華々しく新連載?毎回5分の時間を下さい!
テーマ:HACCPは「食品安全の考え方」です!
知らない事は素直に「知らない」と言った方が良いのです。でも、何を知らないで困ったのか必ず覚えておいて、後から誰かに聞くか、調べるかする。大切なのは「好奇心」です。では、今日は、コンベクションオーブンでHACCPが実行できるかどうか?という話。コンベクションオーブンは、主に焼き物を行う加熱調理機であることはフードサービスにかかわる人にとっては常識。つまり焼き物機です。HACCPに従うと、焼き物は食材別に加熱終了時の芯温が決められていますね?その具体的な温度はともかく、何故この温度なのか解りますか?ここがポイントの一つ。食中毒を起こす微生物を完全に殺す温度だからです。例えば、焼き魚。これの芯温は62.8℃。では、焼きあがった全ての焼き魚の芯温を測るのがHACCPでしょうか?
答えは「NO」。
オーブンの1棚に乗せる量は6匹、使用する棚は5段、魚の厚みは25~30mm、設定温度は300℃、加熱時間は14分。これらの条件をそろえれば、常に焼きあがった魚は、芯温62.8℃以上に必ずなっている。芯温を測るのは常に1ロット1匹のみで良い。
これがHACCPです。
HACCPは食品安全、食中毒の危険を完全に除去するためのシステム、手法を考える「考え方」なのです。
では、また