お知らせ

vol.2 アーテック倶楽部ニュース

1998/04/15 アーテック倶楽部ニュース

  • コンベクションオーブン、他
  • 今すぐ出来るHACCPの応用
  • 事務局の日記より「オーストラリア編」
  • ホームページを開設致しました!

1.創刊号でご紹介致しました「食品安全」に関する情報は、ホームページとし
て「O-157関係」と「HACCP関係」に大別してあります。
アメリカ、オーストラリア等の海外資料から日本国内における官庁関係の食中毒
防止に関連する通達を紹介致しました。

O-157関係
学校給食における衛生管理の改善充実及び食中毒発生の防止について(通知)
文部省体育局:文体学第266号 平成9年4月1日(日本語 in Japanese)
http://www.monbu.go.jp/news/00000061/

家庭でできる食中毒予防;厚生省(日本語 in Japanese)
http://www.mhw.go.jp/houdou/0903/h0331-1.html

「食品安全と衛生」;CSIRO オーストラリア(日本語 in Japanese)

HACCP関係
厨房マネージャーの為のHACCP(日本語 in Japanese)

食品取扱者の衛生;CHENG TEOH,B SC,DIP ED著
REGENCY COLLEGE HOTEL SCHOOL(日本語 in Japanese)
(文中より)・・・このコースは食品取扱者に、なぜ食品衛生がそれほど大切か、又なぜ、どのように食
中毒や腐食 が起きるか、効果的で、速効の予防は何かという事柄の基本的理解をして
もらうために作られて います・・・

ホームページ上の内容は要約したものです。
ご希望の方には全文(日本語)を用意しておりますので
担当セールスにご用命下さい。

※ 各資料の日本語訳についてはアーテッククラブのメンバー(会員)のために要約(抜粋)したものであって、内容によっては完全なものではありませんので、詳しくは各ホームページ及び、オリジナルの原文を参照ください。又、訳した文章は、営業(販売)を目的とするものではありません。

2. 食品安全の先進国から「オーストラリア編」~事務局の日記より

「BCS Catering社の場合」

オーストラリアのシドニー市郊外にあり、老人ホームを中心とした施設への仕出し業を営んでおり、クックチルシステムを20年前から導入して実施しているケータリング会社を訪問してみました。

1日の調理量は6,000食で、34ヶ所の施設へ毎日配達している。社員数は24名で、調理に携わっているのはたったの9名とのこと。
厨房に入ると6,000食の規模がある様には思えないほど狭く、スチームコンベクションとブラッドパン(平鍋形状の加熱調理器)が並び、煮炊きを行う器具は200リットル位の電気式ケトルが1台あるのみである。厨房に隣接して冷蔵室(4℃以下)と大型のブラストチラーが3台備えられている。省人の為、野菜類は全てカットや下茹での終了したものを使用しており、厨房内に皮むきや洗浄などの下処理行程用のスペースは存在していない。

調理物は全て1/1サイズのガストロノームパンに入れられてトロリーで運ばれ、加熱から冷却まで人の手は全く触れられない。特筆すべきは、調理物の冷却段階で全てのパンにセットされる温度記録装置(5センチ角、厚さ1センチ程の大きさ)で、パソコンと接続することにより、冷却段階からどんな温度下におかれていたかを完全にモニター出来る仕組みになっていた。つまり、間違った温度管理の行われた食品のロットを必ずチェックして廃棄するシステムが出来上がっていた。

現在、5日サイクル分の調理に対応出来る数のガストロノームパンとトロリーを有しているとの事であるが、その言葉通り膨大なガストロノームパンとトロリーが所狭しと置かれていた。クックチルシステムの最大の特徴であろう。
この会社におけるクックチルシステム導入のきっかけは、実は食品安全の見地からでは無く、従業員の週休2日制に対応する為の作り貯めであったとの事で、温度の管理は安全な食品の保証の為の必須条件としてシステム導入された事情があるそうだ。
現在の状態で、クックチルシステムの完成度は、約90%との事で、20年もかかってこの完成度というのは、社員(組合)の反対という抵抗があったからなのだそうだ。
日本では、食品衛生の新しいシステムという印象が強いクックチルシステムであるが、オーストラリアでは「クックチル=合理化(人減らし)」という認識が有るようだ。

3. 今すぐ出来るHACCPの応用
HACCPを導入しようとすると、あれも!これも!となってしまい、サジを投げたくなってしまうのが、厨房マネージャーの皆さんの現状だと思います。ここは一つ基本に帰って食品そのものの安全な扱い方に目を向けましょう!さあ、連載開始です。

連載  オーブンを活用しよう!
~意外と危険な揚げ物???~

揚げ物の出来上がりの目安は、油の中から調理物が浮かび上がって来た時である事は、読者の皆さんもご存じでしょう。また、揚げ物に使う油の温度が180℃~220℃位までの食中毒菌が完全に死滅する温度帯であることもご存じでしょう。
では、揚げ物が浮かび上がってきた時の調理物の芯温はご存じですか?何とほとんどの揚げ物の芯温が75℃以下なのです。特に、冷凍コロッケや冷凍魚類などは、芯温を計ると60℃程しかありません。
食中毒の防止には、揚げ上がり後にさらなる加熱が必要ですが、ここでオーブンを活用しましょう。揚げ物の芯温を安全な80℃以上にするために揚げる時間を延長すると明らかなオーバークッキングになってしまいますが、オーブン(コンベクションオーブンやスチームコンベクションオーブン)を用いれば設定温度150℃で8分程の加熱で芯温を80℃以上に出来、表面を焦がしすぎる事もありません。芯温計付きのオーブンならば、なお確実です。是非一度お試し下さい。